No.789 日通だより

(Kei) #1
操業が完全停止の中、厳しい制限も
 昨年、ロックダウンが敷かれると、インド日通ロジの
お客様もメーカー、サプライヤーともにクローズしてし
まい、倉庫も輸送も完全停止に陥りました。食料品店な
ど限られたエッセンシャルワーカー以外は外出が許さ
れず、社員も全員自宅待機に。仕事が発生しないため、
2020年4月の収入は倉庫保管料のみ、前年同比で80%
のダウンとなってしまいました。
 収入がないにもかかわらず、政府からは給料カットの
禁止令が出たうえ、3カ月の支払猶予が与えられた税金
には滞納分の金利がつくといったように、大変シビアな
状況だったと西山社長は振り返ります。
 さらに、日系企業の駐在員の退避が増え、井手野課長
は同年5月に、徐々に操業を再開したお客様対応のた
め現地に残っていた西山社長も10月に帰国。その後イ
ンドへ戻ったものの、本年4月からの第2波により井
手野課長は5月に、西山社長は6月に再帰国を余儀な
くされました。帰国後は、日本とインドの現場を電話や
Teams、SNSでつなぎ、仕事を続けています。

混乱の中での新倉庫立ち上げ
 そうした状況下で進められたのが、チェンナイ支店ス
リシティ倉庫における新規のお客様の倉庫立ち上げ業務
です。さまざまな制限がある中で、プロジェクトを指揮
した井手野課長をはじめスタッフたちは試行錯誤を繰り
返しながら、操業開始にこぎ着けました。

特集


コロナ禍の混乱を乗り切り、


インド国内物流の拡大を目指す


 2020年3月、コロナ禍により国内全土で厳格なロックダウンが敷かれたインド。本年には、インドで世界


で初めてデルタ株が確認されると感染第2波が発生し、5月6日のピーク時には新規感染者数が40万人を超


える事態に陥りました。


 今月号では、コロナ下で事業を継続させるため奮闘しているインド日通ロジスティクス(以下、インド日通


ロジ)および同社チェンナイ支店について紹介します。


インド日通ロジスティクス


コロナとの戦い^ ~ロックダウンによるダメージ~


西山社長
 「帰国中は、日本からリモートで指示をしています。オ
ンラインでリアルタイムに現場を見ることはできます
が、カメラに写っている部分に限られるため、すべてを
把握しづらいという欠点があります。距離が離れている
分、より細かい説明も必要になっています」と、井手野課
長はリモートならではの苦労を語ります。
 また、西山社長は、「帰国中、インドに滞在したままの
お客様には、現地と同じ温度で対応するよう心がけまし
たが、物流にとって現場は要。その現場を実際に見て把
握できないジレンマを感じます」と語っています。
 現在、インドの感染状況は減少傾向にあり、州ごとに
差はありますが、ロックダウンの状況も緩和されてきて
います。西山社長、井手野課長も8月末に再びインド入
りを果たしました。
 「落ち込んだ売り上げをコロナ前に戻すことが最優先。
地縁が強く条件が厳しい現地企業の入札にも積極的に参
加し、物量アップを目指したいと考えています。インド国
内における日通グループのプレゼンス向上に向け、社員
一丸となって挑戦していきます」(西山社長、井手野課長)

井手野課長
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